調達管理(海外企業への発注)

プロジェクトマネージャ試験の参考書から学んだことをつらつらと書いていきます。


国内SEの人件費高騰の対策として、海外技術者の活用が注目されている。
海外技術者の単価は上昇傾向にあるものの、国内の3分の1から5分の1程度である。

  • オンサイト開発

海外技術者に来日してもらい、日本国内でソフトウェア開発を行う方法。
来日の為の渡航費や滞在費が必要となるが、国内で十分な管理・監督が可能となる。

  • オフショア開発

海外パートナー企業に依頼して、海外でソフトウェアを開発する方法。
渡航費や滞在費は不要であるが、管理・監督が難しい。

  • オフショア開発の問題点

 1.コミュニケーションギャップによる品質不備が発生する。
  日本人がよく使う「行間を読む」とか「阿吽の呼吸」などのアナログコミュネーションは通用しない。
 2.品質に対する意識の違いがある。
  バグがあったら言ってくるだろうと考えて、不十分なテストしか行わずに納品してくるケースもある。
 3.使用性・保守性・移植性に関して、指示がなければ全く考慮されない。
  プログラム仕様書を詳細に記述し、ロジックに関しても指示する必要がある。
  プログラム仕様書を詳細に記述すればコーディングに近くなり、それだけ国内での開発コストがかさむことになる。
  「開発標準」や「共通仕様」を活用することが重要となる。

  • オフショア開発の重要成功要因

 1.ブリッジSE
  ブリッジSEは、海外企業へ仕様書を出したり、作業指示を行う為、
  ソフトウェア開発プロセス、プロジェクトマネジメントに精通していることに加え、
  両国語を話すことができ、両国の文化の違いを理解している事が重要である。
 2.仕様の伝達
  仕様書は世界標準のUMLを使ったり、図表を多用することで共通認識を持って進める。
  その上で誤解が生じないように、現地に赴かオンサイトで、じっくりと時間をかけてコミュニケーションを取る。
  簡単に仕様を説明した後、不明な点は質問してもらうという方法で進めてはいけない。
 3.プロジェクト管理
  各工程が完結しているウォーターフォール開発が適している。
  進捗管理を立てる際に、次の点に留意する。
   ・渡航またはオンサイトのスケジュールを加味する
   ・受け入れテスト期間を十分に取っておく
   ・受け入れテスト後の修正期間を十分に取っておく
   ・技術者の退職などのリスクへの対策を考えておく(海外では転職は日常茶飯事である)
  品質を確保するために、品質によってインセンティブを与えるなど、「品質に関する条項」を契約に盛り込むのも有効である。